- 「エコジョーズはやめとけって本当?」
- 「エコジョーズを選んで後悔しない?」
このような疑問をお持ちではありませんか。
エコジョーズは、省エネ性の高いガス給湯器として人気がありますが、「やめとけ」と言われる場合もあります。一見エコで良い選択に見えますが、実際にはメリットとデメリットの両方があり、家庭の状況によって向き・不向きが分かれる給湯器です。
本記事では、エコジョーズのメリットとデメリットを整理し、どんな人に向いているかも解説します。エコジョーズの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

給湯器のプロ
ミタニ
10年以上にわたり、給湯器・エコキュートの交換・修理の工事に携わり、豊富な経験・知識があります。現在は若手の教育・監督も担当する給湯器のプロです。これまでの交換工事などで得た経験・知識で、みなさんの快適な暮らしお手伝いしたいと思います。
【保有資格】ガス機器設置スペシャリスト、・ガス消費機器設置工事監督者、ガス可とう管接続工事監督者講、電気工事士1級、給水装置工事主任…など
目次
【結論】エコジョーズは「やめとけ」とは一概に言えない

エコジョーズは「やめとけ」と言われることもありますが、必ずしも全ての人に当てはまるわけではありません。
初期費用が高い、設置場所に制限があるなど、エコジョーズのデメリットはたしかに存在します。しかし、長期的なランニングコスト削減といったメリットも大きく、家庭の状況によっては十分に導入する価値を見出せるでしょう。
ライフスタイルや住まいに合った選択が重要になるため、エコジョーズを検討する際は、自身の環境を見て判断するのがおすすめです。
エコジョーズはやめとけと言われる理由(デメリット)

エコジョーズには多くのメリットがある一方で、次のようなデメリットが存在します。
- 初期費用が高く設置工事も必要
- ドレン排水の臭いが気になる
- 思ったほどガス代が下がらないこともある
- 設置場所に制限がある
特に、初期費用の高さや、実際のガス代節約効果に対する不満などが「やめとけ」と言われる理由になっています。
それぞれについて、もう少し詳しくお伝えします。
初期費用が高く設置工事も必要
エコジョーズは、従来型の給湯器に比べて本体価格が高く、設置時にも専用の排水工事が必要になる場合があります。
結果として、初期費用が高額になりやすい点がデメリットです。
一般的に設置費込みで20万円〜30万円以上かかるケースが多く、予算に余裕がない家庭には負担となるでしょう。
特に「できるだけ安く済ませたい」という人には不向きかもしれません。
ドレン排水の臭いが気になる
エコジョーズは、高効率を実現するため、燃焼時に発生するドレン排水(酸性水)を処理する必要があります。
このドレン排水が原因で、設置場所によっては臭いが気になることがあります。
屋外設置の場合はさほど問題になりませんが、室内や狭いスペースでは臭いがこもりやすく、快適性に影響する可能性もあるでしょう。
対策するためには適切な排水設備の設置が必須で、設置環境などに影響を受けるケースがあります。
思ったほどガス代が下がらないこともある
エコジョーズはエネルギー効率が高いものの、実際に節約できるガス代は使い方や家庭状況によって大きく変わります。
特に、もともと給湯使用量が少ない家庭では、毎月の節約効果がわずか数百円〜千円程度になってしまうこともあります。
初期費用の高さを考えると、「こんなものか」と感じてしまうケースもあるため、事前にシミュレーションをしておくことが重要です。
設置場所に制限がある
エコジョーズは、排水が必要なため、設置場所に一定の条件が求められます。
たとえば、排水管が近くにない場所では追加工事が必要になったり、マンションや集合住宅では施工自体が難しい場合もあります。戸建てでもスペースに余裕がない場合は設置場所の確保に苦労することがあり、導入を断念せざるを得ないケースもあるでしょう。
このように設置場所に制限がある場合は、従来のガス給湯器や電気給湯器が向いている可能性が高いです。
一方、光熱費をさらに抑えたい方や、オール電化住宅を検討している方には、電気でお湯を沸かす「エコキュート」も選択肢のひとつとしておすすめです。エコキュートはガス代が不要になり、長期的な光熱費削減効果も期待できます。
エコキュート交換のおすすめ業者は、下記の記事でまとめていますので、気になる方はチェックしてみてください。
エコジョーズが選ばれる理由(メリット)

エコジョーズには、単なる省エネ給湯器にとどまらない、多くのメリットがあります。
主なメリットとしては、以下などが挙げられるでしょう。
- 従来型よりもエネルギー効率が高い
- ガス代を抑えられて長期的にお得
- 環境に優しい
- 省エネ住宅の評価が上がるケースも
ここでは、それぞれのメリットについて詳しくお伝えします。
従来型よりもエネルギー効率が高い
エコジョーズの大きな特徴は、従来型の給湯器よりもエネルギー効率が高いことです。
従来型では排気ガスとして捨てていた熱エネルギーを、エコジョーズでは中和器などを使用して再利用する仕組みになっています。
この仕組みは「潜熱回収」と呼ばれており、従来の給湯器と比べておよそ15%程度効率が向上しているのが魅力です。
これにより、少ないガス量でもしっかりお湯を作れるため、無駄の少ない運転が可能になっています。
ガス代を抑えられて長期的にお得
エネルギー効率の高さは、ガス代の削減にも直結します。
エコジョーズを導入することで、月々のガス代が平均して5%〜10%程度安くなるケースが多く、長期的に見れば大きな節約効果が期待できます。
特に家族の人数が多く、日常的に給湯使用量が多い家庭では、10年、15年と使い続ける中で数十万円単位の節約になることもあるでしょう。
初期費用は高めですが、長期的なコストメリットは十分にあると言えます。
環境に優しい
エコジョーズは、環境への配慮という点でも優れています。
従来型の給湯器に比べて燃焼時のCO₂排出量が少なく、地球温暖化対策の一環としても注目されています。
また、エネルギー消費量を削減できるため、家庭から排出される温室効果ガスの抑制にも貢献できるでしょう。
個人単位では小さな違いに感じるかもしれませんが、多くの家庭が省エネ機器を導入することで、環境負荷全体の低減に繋がります。
個人的なメリットとはなりづらいものの、環境に配慮できるのは嬉しいポイントです。
省エネ住宅の評価が上がるケースも
エコジョーズを導入することで、省エネ住宅としての評価が高まるケースもあります。
住宅性能評価制度などで、省エネルギー性を重視する項目が設けられているため、エコジョーズを設置することで基準を満たしやすくなります。
これにより、住宅ローン控除の優遇や、将来的な住宅売却時にプラス評価となる可能性もあるでしょう。
単なる光熱費削減にとどまらず、資産価値の向上に繋がることもあります。
エコジョーズが向いている人

エコジョーズは、すべての家庭に最適というわけではありませんが、一部の人にはおすすめできます。
特に次のような条件に当てはまる人には、エコジョーズのメリットを最大限に活かせるでしょう。
- 家族の人数が多い家庭
- 設置スペースに余裕がある戸建て住宅
- 床暖房(ガス)を使う
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
家族の人数が多い家庭
エコジョーズは、給湯使用量が多い家庭ほど効果を発揮します。
家族の人数が多ければ、それだけお湯を使う機会も増えるため、エネルギー効率の高さによるガス代の節約効果がより大きくなります。
たとえば、毎日複数回の入浴や大量の食器洗いが発生する家庭では、エコジョーズ導入による光熱費の削減メリットを実感しやすいでしょう。
長期的に使うほど、お得度は高まります。
設置スペースに余裕がある戸建て住宅
エコジョーズは、ドレン排水を処理する必要があるため、設置場所にある程度のスペースや条件が求められます。
戸建て住宅で、給湯器周辺に十分な設置スペースが確保できる場合は、問題なく導入できるケースが多いです。
また、排水設備も整えやすいため、追加工事の負担も少なく済みます。
逆に、狭い場所やマンションなどでは設置が難しい場合があるので注意が必要です。
床暖房(ガス)を使う
ガス式の床暖房を使っている家庭は、エコジョーズの恩恵を受けやすい傾向にあります。
床暖房は温水を循環させて室内を暖める仕組みのため、通常の給湯よりも大量のお湯を必要とし、ガス使用量も増えます。
エコジョーズは、少ないガスで効率よくお湯を作れるため、床暖房のように給湯負荷が高い場合ほど、省エネ効果が発揮されやすいのです。
冬場の光熱費節約にも繋がるため、床暖房を使う家庭には特におすすめです。
エコジョーズが向いていない人

エコジョーズは多くのメリットがありますが、すべての人に最適とは限りません。
特に次のような条件に当てはまる場合は、慎重な検討が必要です。
- 初期費用を抑えたい
- 短期間で引っ越しの可能性がある
- 集合住宅や設置条件が厳しい戸建て
それぞれ、詳しく解説していきます。
初期費用を抑えたい
できるだけ初期費用を抑えたいと考えている人には、エコジョーズは向いていないかもしれません。
エコジョーズは従来型の給湯器に比べて本体価格が高めであり、さらにドレン排水工事などの追加費用が発生する場合もあります。
補助金を活用できるケースもありますが、それでも設置時の負担は大きくなりがちです。
「とにかく初期コストを抑えたい」という場合は、従来型のガス給湯器を検討する方が現実的でしょう。
短期間で引っ越しの可能性がある
数年以内に引っ越しを予定している、または転勤や住み替えの可能性が高い人にとっては、エコジョーズの導入は費用対効果が薄くなる可能性があります。
エコジョーズは長期使用によるガス代節約を前提とした商品であり、初期費用を回収するまでには数年単位の使用が必要です。
短期間しか使わない場合、投資したコストを十分に回収できないまま引っ越しを迎えてしまうリスクがあります。
集合住宅や設置条件が厳しい戸建て
集合住宅や設置スペースに制限のある戸建てでは、エコジョーズの設置が難しいことがあります。
エコジョーズはドレン排水処理が必要なため、排水経路が確保できない場合や、近隣への配慮が必要な環境では設置そのものが断念されるケースも少なくありません。
特にマンションなどの集合住宅では、管理上の制約があることも多いため、事前にしっかり確認しておくことが重要です。
エコジョーズを後悔なく導入するためのポイント

エコジョーズは魅力的な製品ですが、導入後に「思っていたのと違った」と後悔しないためには、事前の準備が重要です。
後悔を防ぐために、特に次の3つのポイントを意識しておきましょう。
- 他の機種と比較する
- 信頼できる業者に相談する
- 補助金について知っておく
それぞれについて詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
他の機種と比較する
エコジョーズに限らず、給湯器にはさまざまなタイプが存在します。
従来型給湯器やハイブリッド給湯器(電気とガスの併用型)、エコキュートなど、ライフスタイルに応じて選べる選択肢が増えています。エコジョーズだけに目を向けるのではなく、他の機種との違いやコストパフォーマンスも比較検討することが大切です。
特に、初期費用・ランニングコスト・耐用年数などを総合的に見て、自分に合った機種を選びましょう。
信頼できる業者に相談する
給湯器の選定や施工は、専門的な知識が必要な分野です。価格だけで業者を選んでしまうと、設置ミスやサポート不足に繋がるリスクもあります。
エコジョーズを後悔なく導入するためには、経験豊富で信頼できる交換業者に相談することが重要です。施工実績やアフターフォロー体制を確認し、できれば複数社から見積もりを取ると安心です。また、不明点を丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。
多くの業者は無料で見積もりを出してくれるので、複数者を比較してみるのもおすすめです。
おすすめの給湯器交換業者は、下記の記事でまとめていますので、ぜひチェックしてみてください。
補助金について知っておく
エコジョーズの導入・交換時には、自治体や国の補助金制度が活用できる場合があります。補助金を利用すれば、初期費用を実質的に抑えることができ、負担を軽減できる可能性があるでしょう。
具体的には、次のような補助金を利用できる可能性があります。
また、各自治体で補助金を出している場合もあります。ただし、補助金には申請期限や対象条件があるため、事前に制度内容をしっかり確認しておくことが大切です。
業者によっては、補助金申請をサポートしてくれるところもあるため、あわせて相談してみるとよいでしょう。
エコジョーズをやめとくべきかは人それぞれ

本記事では、エコジョーズのメリット・デメリットを中心にお伝えしました。
エコジョーズには、初期費用の高さや設置条件といったデメリットがある一方で、長期的なガス代の節約や環境負荷の軽減といった大きなメリットも存在します。
結局のところ、エコジョーズを導入すべきかどうかは、家庭の状況やライフスタイルによって異なります。
給湯使用量が多い家庭や、長期的に同じ住まいに住み続ける予定がある人にはメリットが大きく、逆に初期コストを抑えたい人や引っ越し予定がある人には不向きなケースもあるでしょう。
本記事の内容などを参考にしつつ、自分にとって向いているか、向いていないかを考えることが大切です。