エコキュートが故障?原因・対処法・修理費用・保険の適用まで徹底解説

  • エコキュートから突然お湯が出なくなった。
  • 水からお湯に切り替わるのに1分以上かかる。
  • リモコンに見慣れないエラーコードが表示された。

そんなトラブルに突然見舞われると、不安になりますね。

エコキュートの故障には、経年劣化によるものから自然災害が原因のものまで、さまざまなケースがあります。中には、自分で対処できる不具合や、火災保険・延長保証が使えることも。

この記事では、エコキュートによくある故障の症状や原因、修理費用の目安、修理か買い替えかの判断基準、そして費用を抑えるためのポイントまで、わかりやすく解説します。

この記事の著者

給湯器のプロ

ミタニ

プロフィール

10年以上にわたり、給湯器・エコキュートの交換・修理の工事に携わり、豊富な経験・知識があります。現在は若手の教育・監督も担当する給湯器のプロです。これまでの交換工事などで得た経験・知識で、みなさんの快適な暮らしお手伝いしたいと思います。
【保有資格】ガス機器設置スペシャリスト、・ガス消費機器設置工事監督者、ガス可とう管接続工事監督者講、電気工事士1級、給水装置工事主任…など

エコキュートでよく起こる故障の症状

エコキュートによく見られる代表的な症状を5つご紹介します。ひとつでも当てはまるものがあれば、故障の可能性を疑ってみましょう。

お湯が出ない・ぬるい

シャワーや蛇口からお湯が出ない、あるいは温度が設定よりもぬるく感じるといったトラブルは、エコキュートの故障時によく見られる症状です。

普段との違いに気づきやすいため、最初の異常のサインとして現れることが多くあります。

エラーコードが表示される

リモコンに「E○○」「U○○」などのエラーコードが表示される場合も、エコキュートが正常に作動していないサインです。

表示される内容によって、内部の異常や外部要因など、さまざまなトラブルが考えられます。

異音がする・運転音が大きくなった

「ガラガラ」「ブーン」など、いつもと違う音が聞こえるようになった場合も注意が必要です。

エコキュートは運転時にある程度の音は出ますが、音の質や大きさに違和感がある場合は、不具合の前兆かもしれません。

本体からの水漏れや蒸気が出る

お風呂の自動湯はりや追い焚き機能が正常に使えない場合も、エコキュートに何らかの問題が起きている可能性があります。

湯量や温度の不具合と合わせて発生するケースもあるため、注意が必要です。

湯はり・追い焚きができない

浴槽への自動湯はりや追い焚き機能が作動しないというトラブルも、エコキュートでよく見られる症状のひとつです。

設定どおりにお湯がたまらなかったり、途中で止まってしまう、追い焚きが始まらないなど、浴室まわりの不具合として現れやすいのが特徴です。

給湯機能に異常がある場合と合わせて起こることも多く、早めの確認が必要です。

これらの症状に当てはまっている場合、業者に依頼すると最も簡単に解決できます。以下の記事では、給湯器ナビ編集部が独自の基準で厳選したおすすめ業者をまとめています。業者依頼を検討している方はぜひチェックしてみてください。

エコキュートの故障原因と対処法

エコキュートの不具合は、本体内部の部品に問題があるケースもあれば、外部環境による一時的なトラブルが影響していることもあります。ここでは、実際に多く見られる代表的な故障原因と、それぞれの対処法についてご紹介します。

ヒートポンプユニットの不具合

ヒートポンプユニットは、エコキュートの中でお湯をつくるための中心的な役割を果たす装置です。ここに不具合が生じると、お湯が沸かない、運転音が異常に大きいなどの症状が出ることがあります。

主な原因には、コンプレッサーの故障、ファンのモーター異常、熱交換器の劣化などが挙げられます。内部構造が複雑なため、ユーザーによる対処は難しく、異音や異常停止が続く場合は、専門業者による点検・修理が必要です。

リモコンや制御基板の故障

リモコンが反応しない、表示が乱れる、操作に対して誤作動が起こる場合は、リモコン本体や制御基板に不具合がある可能性があります。制御基板はエコキュートの動作全体を管理しているため、ここに問題があると複数の機能が同時に停止することもあります。

電源の入れ直しやリセット操作で一時的に回復することもありますが、不具合が繰り返されるようなら、基板の交換や修理が必要です。

断水・停電・凍結などの外部要因

必ずしも本体の故障ではなく、外部環境の影響によって一時的にエコキュートが正常に動作しなくなることもあります。

たとえば、断水によりタンクへの給水が停止するとエラーが表示されることがあります。また、停電後にシステムが正常に再起動できない、冬季の寒さによって配管が凍結するなどのケースもあります。

このような場合は、取扱説明書に沿って電源の再投入やリセット操作を試すことで復旧する可能性があります。 ただし、復旧しない場合は凍結防止ヒーターなどの故障も考えられるため、点検を依頼しましょう。

経年劣化による部品の寿命

設置から10年を超えると、エコキュート内部の各部品に少しずつ劣化や摩耗が進み、不具合が起こりやすくなります。特に、制御基板、センサー、リレー、配管などは経年劣化による故障が多く見られる部品です。

一度不具合が出た部品を修理しても、他の箇所で新たにトラブルが発生することもあります。複数の部位で調子が悪いと感じた場合は、本体の買い替えも視野に入れて検討するのが現実的です。

エコキュートの修理費用と相場の目安

エコキュートが故障した場合、気になるのが修理にかかる費用です。
ここでは、代表的な修理内容とそれぞれの費用目安を一覧でご紹介します。症状に心当たりのある方は、修理依頼の際の参考にしてください。

故障箇所修理費用の目安
ヒートポンプユニット80,000円~150,000円
貯湯タンク100,000円~300,000円
配管のひび割れや漏水10,000円~50,000円
電子回路の部品交換100,000円~150,000円
リモコン10,000円~30,000円

※修理費用はメーカーや業者、実際の状況により変動します。

エコキュートの修理をすでに検討している方は、以下の記事で安くする方法などをチェックしてみてください。

修理か買い替えかの判断基準

エコキュートに不具合が起きたとき、「修理して使い続けるか」「思い切って買い替えるか」で迷う方も多いのではないでしょうか。
修理費用は決して安くはなく、場合によっては新品の導入費用に近づくこともあります。

修理と買い替えを判断する際に参考になる3つのポイントをご紹介します。機器の状態や使用年数に応じて、どちらが適切かを見極める参考にしてください。

  • 使用年数が10年以上経過している
  • 同じ不具合が何度も発生する
  • 修理費用が高額

使用年数が10年以上経過している

エコキュートの耐用年数はおおよそ10〜15年とされており、10年を超えると部品の供給が終了していることも少なくありません。
また、使用環境によっては内部の劣化が進んでいる場合もあるため、修理しても別の箇所に不具合が出るリスクがあります。

長年使用している機器で不具合が出た場合は、修理の可否だけでなく、将来的な維持コストやトラブル頻度もふまえて、買い替えを検討するのが現実的です。

同じ不具合が何度も発生する

修理後に同じトラブルが何度も起きる場合は、一部の部品だけでなく本体全体の劣化が進行している可能性があります。
特に、リモコンの操作不良やエラーコードの再発、湯はりや給湯の不調などが繰り返される場合は注意が必要です。

その都度修理をしても、抜本的な解決にならない場合は費用がかさむばかりになるため、買い替えによって安定した使用環境を整える方が結果的に安心です。

修理費用が高額

修理の見積もりが10万円を超える場合は、新しいエコキュートへの交換を前向きに検討しましょう。
特に、貯湯タンクやヒートポンプユニットなどの主要部品が故障している場合は、修理費用が高額になりやすく、新品購入との差額が少なくなることもあります。

さらに、新しいモデルには省エネ性能の向上や補助金制度の対象となる場合もあるため、長期的なメリットを考えると、買い替えのほうが得になるケースも少なくありません。

火災保険や延長保証で修理費用をカバーできるケース

エコキュートの故障の際、原因や契約内容によっては、火災保険や延長保証、住宅設備保証などを活用できる場合があります。

ここでは、保険や保証が適用される代表的なケースと、申請時の注意点について解説します。該当する可能性がある方は、修理を依頼する前に一度チェックしてみましょう。

落雷・台風などの自然災害なら火災保険が使えることも

エコキュートの故障原因が落雷や台風、大雨による浸水など自然災害によるものであれば、火災保険の補償対象となる可能性があります。

たとえば、落雷によって制御基板が破損したり、台風で屋外ユニットが損傷した場合などが該当します。
火災保険には「落雷」「風災」「水災」などの補償が含まれていることが多く、該当する補償項目があれば、修理費用が保険でまかなえる場合があります。

「破損・汚損」特約があると補償の幅が広がる

火災保険に「破損・汚損」特約が付帯されている場合、偶発的な事故や操作ミスによる破損でも補償を受けられる可能性があります。

たとえば、「掃除中にリモコンを落として壊した」「誤ってボタン操作をして不具合が生じた」など、使用者の過失を含むトラブルにも対応できることがあります。

契約内容によって補償の範囲が異なるため、加入時の保険証券を確認し、不明な場合は保険会社に相談するのがおすすめです。

延長保証や住宅設備保証が使えるケースをチェック

購入時に加入した延長保証や、住宅メーカー・家電量販店による設備保証などにより、メーカー保証終了後も一定期間は修理費用がカバーされることがあります。

これらの保証は、自然故障や製品本体の不具合に限って補償されるのが一般的ですが、無料または一部負担で修理が受けられるケースもあります。

保証書や契約時の書類に記載された期間や内容を確認し、対象期間内かどうかをチェックしてから修理依頼を行いましょう。

保険を使うときに必要な書類と手順を確認

火災保険や保証を利用する場合、修理費用の請求に必要な書類の準備が必要です。代表的な書類は以下のとおりです。

  • 修理業者による見積書
  • 故障原因がわかる診断書・報告書
  • 修理後の領収書
  • 必要に応じて現場写真など

保険会社によっては、事前に申請や連絡が必要な場合もあるため、修理を進める前に一度問い合わせを行うことが重要です。

エコキュートの修理・交換費用を安くするなら専門業者への依頼がおすすめ

エコキュートの修理や交換は、メーカーや家電量販店に依頼する方法もありますが、費用面や対応スピードを重視するなら、エコキュート専門の業者に相談するのがおすすめです。

ここでは、専門業者に依頼するメリットを具体的にご紹介します。

設置環境に合った機種の提案を受けられる

専門業者は、エコキュートに関する豊富な知識と施工実績を持っており、住まいの構造や既存の配管に適した機種を的確に提案してくれるのが大きな強みです。

たとえば、狭小地や寒冷地など特殊な条件下でも、最適な設置プランを組んでくれるため、無駄な工事費用や不具合のリスクを避けることができます。

費用の見積もりが明確で安心できる

専門業者に依頼することで、工事費・本体費用・諸経費を含めた総額の見積もりが事前に明示されることが多く、後から予想外の費用が発生する心配が少なくなります。

また、複数の業者に見積もりを依頼すれば、より納得のいく価格で工事を依頼しやすくなります。費用を抑えつつ、信頼できる業者を選びたい方にとっては大きなメリットです。

10年保証などアフターサービスがある業者も多い

エコキュートの専門業者の中には、長期保証(例:本体10年保証、工事5年保証など)を標準で付けているところも多数あります。

こうしたアフターサービスが充実している業者を選べば、万が一不具合が起きた場合でも安心です。
保証内容やサポート体制も事前に比較し、費用だけでなく「長く安心して使えるかどうか」も判断基準にするとよいでしょう。

おすすめの給湯器交換業者は、下記の記事でまとめていますので、ぜひチェックしてみてください。

まとめ:エコキュートが故障したら、専門業者への相談がおすすめ!

エコキュートにトラブルが起きたときは、まず症状を確認し、原因を冷静に見極めることが大切です。
使用年数や故障箇所によっては、火災保険や延長保証が使えるケースもあるため、あわてず対応しましょう。

修理で対応できる場合もありますが、費用が高額になる・何度も同じ不具合が起きる・設置から10年以上経っているといった場合は、交換を検討するタイミングです。

判断に迷ったときは、実績のある専門業者に相談するのが安心です。機器の状態や予算に応じて、最適な対応方法を提案してもらえます。