エコジョーズとエコキュートの違いを徹底解説!導入に向いている環境も紹介

  • そもそもエコジョーズとエコキュートの違いが分からない
  • どっちが向いているのか判断できない
  • より安く導入できる方を選びたい

以上の疑問を持っている方に向けて、エコジョーズとエコキュートの違いが分かるように解説します。2種類の違いを表やリストでまとめているので、読みたい場所がすぐに見つけられるでしょう。

本記事を参考に、ご家庭にあった給湯器を選んでみてください。

※本記事には、プロモーションが含まれています。

この記事の著者

給湯器のプロ

ミタニ

プロフィール

10年以上にわたり、給湯器・エコキュートの交換・修理の工事に携わり、豊富な経験・知識があります。現在は若手の教育・監督も担当する給湯器のプロです。これまでの交換工事などで得た経験・知識で、みなさんの快適な暮らしお手伝いしたいと思います。
【保有資格】ガス機器設置スペシャリスト、・ガス消費機器設置工事監督者、ガス可とう管接続工事監督者講、電気工事士1級、給水装置工事主任…など

エコジョーズとエコキュートの違いを比較

エコジョーズとエコキュートは、コストの違い、サイズの違いなど、大きく異なる点のある機械です。たとえば、機械の交換だけでなくリフォームも検討している場合、コスト面で慎重に選ぶことが重要です。

導入コストとランニングコストの違い

エコジョーズとエコキュートは、導入コストとランニングコストが異なります。

エコジョーズエコキュート
導入コスト20万円から35万円が目安40万円から60万円が目安
月々のガス代と電気代4千円から6千円が目安1,500円から3千円が目安

エコキュートは導入コストが高いです。しかし、月々の電気代が安いので、長く使用するとエコジョーズより安くなる可能性があります。

本体のサイズによる違い

エコジョーズとエコキュートは本体のサイズが異なるので、設置できる環境かどうか検討が必要です。

そもそもエコキュートは、「ヒートポンプユニット」と「貯湯ユニット」からなる精密機器です。それぞれ高さが異なりますが、多くの利用者はヒートポンプユニットと貯湯ユニットを隣に設置しています。

ヒートポンプユニットのサイズの目安貯湯ユニットのサイズの目安
横800mmから900mm
奥行き300mmから365mm
高さ650mmから720mm
横600mmから700mm
奥行き730mmから750mm
高さ1800mmから2200mm

対してエコジョーズは、設置する機器がひとつだけです。そして、サイズの目安は以下の通りです。

  • 幅350mm×奥行190mm×高さ530mm
  • 幅517mm×奥行240mm×高さ600mm

もちろん、製品や容量などによって異なるので、自宅に設置できるかどうかは専門業者と相談しましょう。

給湯の仕組みによる違い

エコジョーズとエコキュートは、そもそも給湯の仕組みが異なります。以下で比較してみましょう。

エコジョーズエコキュート
排気熱を再利用しているので、ガスの使用量が少なくても従来のガス給湯器と同じ分量のお湯が沸かせる。また、排気熱を再利用するために、2種類の熱交換器を採用ている。(一次熱交換器と二次熱交換器)導入に必要な機械は一つ。大気中の熱を吸収して熱交換器で温め、お湯に変える。大気中の熱を吸収して熱交換器で温めるための「ヒートポンプユニット」、お湯を貯めておく「貯湯ユニット」が存在する。

エコジョーズは、以下の役割が一つの本体で完結します。

  • 熱交換器を2種類搭載すること
  • 燃焼すること
  • 排気熱を回収すること

つまり、エコジョーズは、ガスの燃焼により稼働する機械であり、エコキュートは大気中の熱を温めて稼働する機械です。

飲料水として使えるかどうかの違い

エコジョーズのお湯は飲めますが、エコキュートのお湯は飲用に適していません。なぜなら、エコキュートのお湯は長期間タンクに貯めているので、衛生上の問題をクリアしていないからです。

温められた水道水はカルキが抜けてしまい、水道法の基準を満たしていない可能性があります。カルキとは、水道水の消毒に使われる塩素のことです。

貯湯ユニットに貯まっていくお湯を、毎日きちんと使い切っているのなら、衛生面はあまり問題になりません。しかし、300リットル以上ある機械の中に入っているお湯を毎日使い切るのは、難しいものです。

お皿洗いや歯磨きをするだけなら問題がないでしょう。とはいえ、飲用として使えるかどうかは、選ぶ際の基準になる方も多いでしょう。

太陽光発電を組み合わせた際の違い

太陽光発電を連動させた場合、エコジョーズとエコキュートの違いが現れます。

エコジョーズはガスを使いつつ効率的にお湯を作る機械であり、エコキュートは完全に電気でお湯を作る機械です。つまり、エコキュートはオール電化が使える上、発電した電気をすべて使えるところがメリットです。

一方で、エコジョーズは、電気に依存しない性質があります。そのため、災害時のリスク分散を考慮するなら、エコキュートよりもエコジョーズを選ぶという選択肢もあります。

動作音の違い

新しい機器を導入する時は、動作音についても考慮しておきましょう。エコジョーズは稼働時だけ動作音がする一方で、エコキュートは室外機の稼働音がする機器だからです。

エコキュートの室外機は、深夜電力を使用する夜間に稼働することが多いです。その間に、おおよそ40dBから50dBの音が響くので、場合によっては苦情に発展することもあります。

一方で、エコジョーズの音がするのは、基本的に稼働時のみです。つまり、日中や夕方などの人が起きている時間帯なので、「夜間にエコジョーズがうるさい」という苦情にはなりにくいです。

エコジョーズ導入が向いている環境

エコジョーズは主に、エコキュートを設置できない家庭や、初期費用を安く済ませたい家庭などが向いています。以下を参考にしつつ、選び方がわからない場合は専門業者にも相談してみてください。

貯湯タンクを設置するスペースがない家庭

貯湯タンクを設置するスペースがない家庭は、エコジョーズの導入をご検討ください。

エコキュートの貯湯タンクは、メーカーによるものの、高さが2,000mmを超える製品もあります。対してエコジョーズは、高さが600mmほどの製品もあるので、選択肢が広がるでしょう。

貯湯タンクの容量は、家庭で使う水の量と直結します。そのため、無理をして小さなサイズを選ぶことはおすすめしません。

無理をして望まないサイズの製品を選ぶより、選択肢の広いエコジョーズを選んだ方が家庭の環境に合うことも多いです。

都市ガスまたはプロパンガスが利用できる家庭

エコジョーズは、ガスの燃焼によってお湯を沸かす給湯器です。

そのため、都市ガスまたはプロパンガスを利用できる家庭は、エコジョーズの導入を検討してみましょう。とはいえ同じ機種でも、都市ガス用とプロパンガス用は別になっていることが多いので、注意が必要です。

都市ガスとプロパンガスの違いは、主に燃料の単価の違いです。基本的には、都市ガスの方が安くなります。

初期費用を安く済ませたい家庭

安く導入したい方は、エコジョーズが向いています。

たとえば本体価格で比較した場合、エコジョーズはおおよそ15万円から30万円なのに対して、エコキュートは25万円から45万円かかります。そこに工事費が加わりますが、トータルでもエコジョーズの方が初期費用は安いです。

以下は、ミズテックで交換できるエコジョーズの種類と費用の目安です。

機械の名前費用
ノーリツ ガス給湯器 GT-C1672AR BL定価:453,310円(税込)から75%OFF
交換工事、撤去処分費等込みで
総額180,495円(税込)
ノーリツ ガス給湯器 GT-C1672PAR BL定価:483,010円(税込)から68%OFF
交換工事、撤去処分費等込みで
総額257,878円(税込)

最初にまとまった費用を出すことが難しい場合は、費用が抑えられるエコジョーズを検討してみてください。

エコキュート導入が向いている環境

エコキュートはオール電化住宅の家庭と相性が良いことや、ランニングコストが比較的安いことなどが特徴です。

オール電化住宅の家庭

オール電化住宅なら、エコキュートを導入してみましょう。

エコキュートは100%電気で稼働する機械なので、オール電化住宅との相性が良いです。基本使用料を一本化すると光熱費が安く抑えられるので、長期的に見るとコストパフォーマンスが良いという特徴があります。

オール電化住宅にエコジョーズを導入しようとした場合、ガスの供給工事が必要です。工事をするには、目安としてガス管1メートルごとに1万円から2万円かかります。そのため、環境によっては、結果的にエコキュート導入と同じくらいの費用がかかるかもしれません。

長期的な視点で節約したい家庭

月々の光熱費はエコキュートが安くなる傾向にあります。電力会社は、電気代がお得になるプランを提供しているからです。

たとえば、日ごろからランニングコストが気になる方や、節約を重視している方は、エコキュートがおすすめです。お得なプランを賢く利用することで、長期的に見ればエコキュートの方が、ランニングコストが安くなるでしょう。

エコキュートは使えば使うほどコストパフォーマンスが良い機械なので、どの費用を抑えたいかによってニーズが異なります。

設置スペースがある家庭

設置スペースがある場合は、エコキュートが選択肢に入ります。

エコキュートを設置するには2種類の機械が必要になるうえ、貯湯ユニットは高さがあるので、諦める人も多いです。奥行きや幅があるので、戸建てでも、ある程度敷地に余裕が必要です。そのような中で「エコキュートとエコジョーズどちらがいいか?」と選べる環境にあるなら、ぜひ検討してみてください。

業者にエコキュートの設置を依頼するなら、給湯器ナビが独自の基準で選んだランキングをチェックしてみてください。

エコジョーズのメリット・デメリット

エコジョーズは、賃貸集合給湯省エネ2025事業の対象機器であることがメリットです。つまり、要件を満たすことで一定額の補助金が受け取れます。

賃貸集合給湯省エネ2025事業は、小型の省エネ型給湯器に交換することを促進する事業です。たとえば、賃貸集合住宅のオーナーや、交換工事の発注者を対象者としています。

参照:賃貸集合給湯省エネ2025事業

対して、エコジョーズには以下のデメリットがあります。

  • 従来のガス給湯器より本体価格が高い
  • 従来のガス給湯器よりサイズが大きい

エコジョーズは、エコキュートの貯湯ユニットと比較するとサイズが小さいです。しかし、従来のガス給湯器と比べると大きいので、環境によっては設置が難しいこともあります。

エコキュートのメリット・デメリット

エコキュートは、主に以下のメリットとデメリットがあります。

メリットデメリット
光熱費がお得である
ヒートポンプ方式なので環境にやさしい
非常時に生活用水として使える
水圧の弱さが気になる人もいる
機械が大きくて設置場所を考える必要がある

エコキュートを導入する時にお湯切れを心配する方がいますが、新しい機種の場合、お湯切れの心配はほとんどありません。リモコンを操作することにより、必要なタイミングでお湯を満タンにしておくといった設定ができる機種もあるからです。

給湯器を変更する際の費用相場 

給湯器を交換する場合、エコキュートからエコジョーズに変更するパターンと、エコジョーズからエコキュートに変更するパターンなどが考えられます。ただし、設置するための設備が整っていない場合、設備を整えるための工事からはじめないといけないことは、両方の機械に共通しています。

もちろん、設置する条件がそろっていることが前提です。以下を参考にしてください。

既存のエコキュートから新規エコジョーズに変更する場合

15万円から25万円が費用の目安です。

上記は、例として本体の費用に20万円、工事費に4万円、ドレン排水配管工事費に1万円という内訳です。とはいえ、家庭環境により、必要な工事が異なります。掲示した内訳はこの限りではありませんので、詳しくは交換業者に尋ねてください。たとえば、ガス配管がない家庭にはガス工事が必要なので、その分費用が高くなります。

また、交換業者に深夜や急な対応をしてもらう場合は、追加費用がかかる可能性もあります。

既存のエコジョーズから新規エコキュートに変更する場合

エコジョーズから新規のエコキュートに変更する際、40万円から80万円かかることが一般的です。費用の内訳は、以下の例が考えられます。

  • 基礎工事に4万円
  • 配線工事に10万円
  • 本体の費用が20万円から35万円
  • 取り付けるための費用が20万円
  • 電力会社への申請に3万円

はじめに、古いエコジョーズを撤去してから、エコキュートの貯湯ユニットとヒートポンプユニットの設置場所をチェックする作業があります。分電盤を交換したり、配線工事をしたりするケースもあるでしょう。

見積もりを出してもらったタイミングで何の費用なのか分からない方は、きちんと交換業者に確認しておくことが重要です。

エコワンやエネファームなどの特徴と比較 

エコジョーズやエコキュートの特徴を、エコワン、エネファームとあわせて表にまとめました。

機器の種類特徴
エコキュート電気でお湯を沸かすヒートポンプ式の給湯器
エコジョーズガスを使って排熱を再利用する給湯器
エコワンヒートポンプ式とガスを併用したハイブリッド給湯器
エネファーム家庭用の燃料電池。自家発電で電気代が削減できる

自分の家庭に何があっているのか分からない場合は、一通り特徴を把握したうえで、交換業者にも尋ねてみてください。

まとめ|自宅の環境に合っているかどうかという視点で判断しよう

エコジョーズとエコキュートは、根本的に仕組みが異なる給湯器です。以下を参考にしてみてください。

  • ランニングコストを抑えたいならエコキュートがおすすめ
  • そもそも設置スペースがないならエコジョーズ一択
  • 導入コストをみて疑問があるならエコジョーズを選ぶ

上記のように、さまざまな視点から検討することで、失敗するリスクが少なくなります。一時の感情で選ぶのではなく、優先順位をつけながら、長期的な視点で選ぶようにしましょう。