エコキュートからガスに戻すことはできる!メリットや必要な費用など紹介

  • エコキュートをやめてガスに戻したい
  • 気になることが多いからガス給湯器の方が楽だった
  • ガスに戻すために意識しておきたいことが知りたい

念願のエコキュートを自宅に導入したものの、やっぱりガス給湯器の方が良かった、と感じる人は多いです。

結論、エコキュートからガス給湯器に戻すことは可能ですが、環境によって異なる点があるため注意が必要です。

本記事を読めば、エコキュートをやめたい人が本当に今やめるべきなのかが分かり、適切な判断ができるようになります。

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この記事の著者

給湯器のプロ

ミタニ

プロフィール

10年以上にわたり、給湯器・エコキュートの交換・修理の工事に携わり、豊富な経験・知識があります。現在は若手の教育・監督も担当する給湯器のプロです。これまでの交換工事などで得た経験・知識で、みなさんの快適な暮らしお手伝いしたいと思います。
【保有資格】ガス機器設置スペシャリスト、・ガス消費機器設置工事監督者、ガス可とう管接続工事監督者講、電気工事士1級、給水装置工事主任…など

目次

エコキュートからガス給湯器に戻すことは可能!

現在エコキュートを使っている人が、ガス給湯器に戻すことは可能です。

エコキュートを設置する前にガス給湯器を使用していたご家庭では配管が残っているため、再利用して交換できます。

エコキュートからガス給湯器に戻す人は増加している

エコキュートを設置してみたものの、ガス給湯器に戻す人は多くいます。

コストの高さや利便性など生活にかかわる理由が多く、ガス給湯器の方が便利だと感じるわけです。そのため生活に直結する機器はトレンドに左右されるのではなく、各家庭に合った選択をすることがポイントです。

予算や住宅の設備などを確認して家庭に合わせて選べば、後からエコキュートからガスに戻すといった余計な費用がかかりません。

エコキュートからガス給湯器に変える流れ

エコキュートからガス給湯器に戻すときの流れを大まかに解説すると、以下の通りです。

  1. 現在設置しているエコキュートを撤去する
  2. 導入するガス給湯器を選ぶ
  3. 必要に応じて配管の工事をする
  4. ガス給湯器を取り付ける
  5. 安全性の確認や試運転をする

ご家庭の環境によっては、配管の工事が必要となります。

エコキュートからガス給湯器に戻す際に必要な費用 

エコキュートをやめてガス給湯器を設置する場合、目安として以下の費用が必要となります。

エコキュートを撤去するための費用1万円から2万円
ガス給湯器の本体にかかる費用10万円から15万円
ガス給湯器の設置にかかる費用2万円から7万円

ガス給湯器の本体は備えている機能により、金額が変動します。また、現場の環境によりガス管の引き込み工事が必要となった際は別途工事費がかかるため、詳しくは交換業者に尋ねてください。

エコキュートからガス給湯器に戻すメリット

 エコキュートとガス給湯器はどちらにも、メリットとデメリットがあります。長期的な視点で考えた際に優先したいことは何か、ということを意識してみましょう。

安く交換できる

ガス給湯器の本体価格はエコキュートと比較して安いため、安く交換できることがメリットです。

エコキュートはメーカー希望小売価格であれば1,000,000円を超える機器があり、交換業者の割引や補助金を使わなければ購入できない方が多いでしょう。対してガス給湯器は100,000円台から高くても500,000円台となっており、業者割引を利用すると手ごろな価格帯で購入できます。

各家庭の環境により配管の工事が必要となったときは想定外の出費となるため、事前の確認が必要です。

残湯量を気にしなくてもよくなる

エコキュートの残湯量はタンクの中にあるお湯の量ですが、追い炊きや自然放熱により減ることがあります。また、エコキュートにおいて使えるお湯の量とは、タンク内のお湯を給湯設定温度のお湯に換算した量を指しています。

温度差のあるお湯や水を混ぜて適温にした上で給湯するため、使用できるお湯の量と目盛の表示が異なることがエコキュートの特徴です。そのためエコキュートを使っていると、残湯量を気にする必要があります。

対してガス給湯器は一定量以上の水を感知すると、ガスを燃焼させることでお湯を沸かす仕組みです。

エコキュートの仕組み
特性上、貯湯タンクのお湯がなくなると水しか出なくなる
(残湯量が気になる)
ヒートポンプユニットが大気中の空気の熱を取り込む
取り込まれた熱はヒートポンプ内で高温になる
熱を水に伝えてお湯になる
できたお湯を貯湯ユニットに貯める
貯湯ユニットからお風呂や台所などで使えるようにする
ガス給湯器の仕組み
水の通水がスイッチのかわり
(残湯量を気にせずスイッチを入れればよい)
水が通ると給湯器が感知する
バーナーが点火して熱交換器を加熱する配管を通る
水が熱を吸収してお湯になる

低周波音を気にしなくてもよくなる

エコキュートから発する騒音の被害は、日本騒音調査ソーチョーにおいてとくに相談の多い内容です。

同社によると騒音はおおむね10Hz~15Hz程度であり、エコキュートの運転が始まると同時に突然目が覚めて、頭の奥で振動が響くのを感じる人がいるほどです。

騒音問題を放置していると訴訟に発展しかねないのですが、ガス給湯器は稼働中のみ音を出す機器であるため戻したいと感じる人がいます。

メンテナンスが楽になる

エコキュートを使っていると、長持ちさせるためのメンテナンスが必要となります。何もせずに放置していると、たとえば以下の不具合が発生します。

  • 不要な電気代や水道代がかかる
  • 劣化を早める
  • 汚れの気になるお湯が出てくる

そのため貯湯タンクや風呂配管の清掃、水漏れの点検といったこまめなメンテナンスが欠かせません。

給湯器は、事故を防ぐため法定点検が必要な機器もあります。メーカーによっては事故を起こさないために、自主点検をしているところもあります。

とはいえ普段のお手入れは比較的面倒ではなく、基本的には外装の汚れを濡れた布で拭き、水分を拭き取る程度で問題ありません。フィルター掃除やオイルタンクの水抜きなどはありますが、エコキュートの定期メンテナンスほど困難ではないでしょう。

参照:ノーリツ 給湯器のお手入れ方法

エコキュートからガス給湯器に変えるデメリット 

エコキュートからガス給湯器に戻す際はデメリットもあるので、下記をご覧ください。

割引がなくなりコストが高くなる

多くの電力会社は、オール電化を取り入れることによりお得なプランを提供しています。

そのためエコキュートをガス給湯器に変えるとオール電化ではなくなり、お得なプランの利用が不可となります。

関西電力では、エコキュートとIHクッキングヒーターを取り入れると電気代がさらに5%割引になるサービスを提供しています。細かい条件もあるので、詳しくは参照元URLも閲覧しつつご検討ください。

災害時の復旧が遅れる

電気は各ライフラインにおいて、早く復旧するというメリットがあります。そのため株式会社明治も、ガスコンロの代替品となる電気ポットやIHクッキングヒーターなどの準備を推奨しています。

ガスは復旧が遅いと言われているため、ガス給湯器を使用していると災害時に復旧が遅れて長期間使えないことも想定しておきましょう。

エコキュートは電気給湯器なのでかかるのは電気代であることが、ガス給湯器との違いです。

毎月の出費が高くなる

エコキュートからガス給湯器に戻すことで、ランニングコストが高くなります。三菱電機は各機器のランニングコストを比較しており、グラフを見るとエコキュートにおけるランニングコストの安さが確認できます。

  • 従来型ガス給湯器は都市ガスでおよそ95,600円
  • エコキュート Pシリーズはおよそ41,800円

エコキュートをやめたい理由

便利なエコキュートですが、使ってみてやめたいと感じる人は多くいます。下記を参考に、交換を検討してみてください。

エコキュートは本体が高いから

ガス給湯器と比較してエコキュートは本体の価格が高いため、やめたいと思う人が増えています。たとえばキンライサーで交換する場合、価格の目安は下記の通りです。

ノーリツエコジョーズ20号
GQ-C2032WX BL
メーカー希望小売価格 278,520円(税込)
50%OFF適用後139,260円(税込)
三菱電機 Sシリーズ
(エコキュート)
SRT-S376U
メーカー希望小売価格: 1,386,000円(税込)
78%OFF適用後、総額496,000円(税込)
総額には本体価格以外も含みます。

メーカー希望小売価格を確認すると、価格の違いが分かりやすいでしょう。

参照:キンライサー

水圧が弱いから

エコキュートは、沸かしたお湯を1度タンクに溜めてから給湯する仕組みです。

高圧力で送られた水をタンクの中で温めてしまうと、タンクの中が高圧になってしまい故障の原因となります。故障を防ぐためにわざと減圧しているため、お湯を出す際の水圧が弱いと感じる人がいるのでしょう。

電気代が高くなったから

電気代が高くなったから、ガス給湯器に戻すことを検討する人がいます。

1ヶ月の電気代は下記の料金で構成されており、基本料金であるか最低料金であるかは契約内容により異なります。

  • 基本料金(最低料金)
  • 電力量料金
  • 燃料費調整額
  • 再生可能エネルギー発電促進賦課金

電気代が高騰する原因は電力の使用量が増加したことや、消費電力が高い機器を使用していることが挙げられます。しかし、燃料価格の高騰も一因であるため、使用している機器を見直せば電気代が安くなるとは限りません。

そのため、ガス給湯器に戻した方がお得だと感じる人が増えました。

参照:大阪ガス コラム

近隣トラブルが気になるから

エコキュートの導入により発生する代表的な近隣トラブルは、騒音問題です。

そもそもエコキュートは近隣トラブルを引き起こすほど音が出る機器ではありませんが、稼働時間が深夜帯となります。周りが静かであれば少しの音もよく聞こえるため、「エコキュートがうるさい」といったクレームにつながるわけです。

電力会社が提供している深夜帯のプランを使用してコスト削減する機器であるため、稼働する時間帯を昼間に変えればいいというわけではありません。

騒音だけではなく、エコキュートの仕組み上どうしても出てくる冷たい風も問題となります。

ガス給湯器の方が便利だと思ったから

エコキュートはお湯切れしたり作ったお湯を飲料水として飲めなかったり、いくつか不便な点があります。そのため、エコキュートを使っていくうちにガス給湯器の便利さがよく分かり、ガス給湯器に戻したいと感じるようになるわけです。

下記の記事でも詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。

エコキュートとガス給湯器の向き不向き 

エコキュートとガス給湯器のどちらが悪いということではなく、自宅に向いているかどうかといった視点も大切です。

エコキュートが向いている人

エコキュートが向いているのは太陽光発電を利用しているご家庭や、昼間にあまり電気を使用しないご家庭です。

太陽光発電は、電気代を削減できるうえ売電収入が得られるメリットがあります。売電収入が安いときは電気をエコキュートに使うことで、光熱費の削減につながります。

また、多くの電力会社は深夜に電気代が安くなるプランを提供しているため、昼間に外出しているご家庭はエコキュートの導入がおすすめです。深夜の電気代が安くなる理由は、一般的に使用される電力が少なく電気が余るためです。

エコキュートの交換をする場合は以下の「エコキュート交換業者おすすめランキング」の記事を参考に、業者さんを選んでみてください!

ガス給湯器が向いている人

オール電化を避けたい人や、エコキュートを設置するスペースがない人は従来のガス給湯器が向いています。

メリットが多いと言われているオール電化住宅は、初期コストが高くなることや調理器具が制限されることなど、デメリットもあります。IHクッキングヒーターに対応している調理器具に限定されるので、今まで使用していた調理器具が使えない人もいるでしょう。

ガス給湯器やエコキュートを設置もしくは交換する場合、専門の交換業者に依頼することがおすすめです。下記の記事にて優良業者をまとめて紹介しているので、合わせてご覧ください。

ガス給湯器に戻す際配管の引き込み工事が必要になるケース 

エコキュートからガス給湯器に戻す場合、大きく分けて以下のケースが考えられます。

ガス管が通っているご家庭
例:現在のエコキュートを導入する前にガス給湯器を使用していた
配管を再利用した設置ができる
(大がかりな作業が必要)
ガス管が通っていないご家庭
例:最初からエコキュートが設置されていた場合
ガス管の引き込み工事が必要となる
(別途工事代が必要)

ガス給湯器の設置以外にガス管の引き込み工事をする際、たとえば以下の手間がかかります。

  1. 本支管の管を道路に埋める
  2. 敷地内に供給管のガス管を入れる
  3. 引き込み口と敷地内に設置したガス機器をつなぐ
  4. ガス機器を都市ガス用に改造する

エコキュートの性能を上げる使用方法も確認しておこう

エコキュートからガスに戻すことを検討している人は、性能を向上させる使用方法を確認することで問題が解決されるかもしれません。

給湯温度の設定や給湯のタイミングに関して、ご家庭に合った状況に設定されているかどうかを確認しましょう。また、節約モードや追い炊き機能などを有効活用することで、エコキュートの使い勝手がよくなります。

たくさんある機能を使いこなせていないときは、エコキュートからエコキュートに機種を変更することもひとつの選択です。既存の機器において、機能を見直してみましょう。

エコキュート以外の給湯器を解説 

お湯を沸かす機器は、エコキュートやガス給湯器だけではありません。下記にてエコジョーズやエコワンなどを解説しているので、合わせてご覧ください。

排気熱を再利用するエコジョーズ

エコジョーズは、省エネ性能が高い給湯器のことです。

ガスの消費量が少なく済むため、ガス代を節約したり環境に優しい点が魅力であったりします。エコジョーズは排気熱を再利用する仕組みが特徴であり、従来の給湯器と比較すると給湯熱効率が95%に向上したと言われています。

ガスと電気を使い分けるエコワン

ハイブリッド給湯器と呼ばれているエコワンは、電気とガスにおけるメリットを組み合わせた使い勝手のよい給湯器です。導入する際の費用が安くエネルギー効率の良さがエコワンの魅力であり、年間光熱費の節約につながります。

電気とお湯を同時に作るエネファーム

エネファームは水素や酸素の化学反応により電気を作り出しますが、その際に発生する熱を使ってお湯を沸かしてくれる機器です。家庭用燃料電池といったカテゴリーに該当するので給湯器やエコキュートとは用途が異なるものの、お湯を作る点は変わりません。

エコキュートからガスに戻す際のよくある質問 

エコキュートをやめる際に不明点のある方は、下記をチェックしてください。

オール電化からガスに変える費用はいくらですか?

目安として、敷地内の配管工事に15万円から20万円かかります。配管は長くなればなるほど費用がかさみますが、一般住宅における費用の目安は上記の通りです。

ガス機器取り付け工事は、機種や業者ごとに費用が大きく異なります。既存機器の撤去費用に関しては、業者により新しい機器の購入代金に含まれていることがあります。

エコキュートがダメな理由はありますか?

エコキュートという機器自体がダメということはありませんが、いくつかのデメリットがあります。たとえば通常のガス給湯器と比較してスペースが必要なこと、エコキュートで作ったお湯は飲料水に適していないことなどです。

ガス給湯器とエコキュートはどちらがお得ですか?

長期的な視点を持つと、一般的にエコキュートを導入した方が安くなります。オール電化割引が使える電力会社なら、エコキュートの導入によりさらに月々の費用が安くなるでしょう。

ガス給湯器はお湯切れを心配する必要がなく、使用時以外の騒音を気にしなくてよいメリットがあります。

まとめ|エコキュートからガスに戻すのは可能!検討して環境に合った選択をしよう

エコキュートからガスに戻すことは可能ですが、各家庭の状況に合わせて検討が必要であることをお分かりいただけたと思います。

  • 環境により配管の引き込み工事が必要である
  • 災害時に復旧が遅れる可能性もある
  • オール電化に特化した割引がきかなくなる

エコキュートをやめることが、悪いというわけではありません。しかし一時的な感情にまかせて判断すると、長期的な視点で見たときに後悔する可能性があります。

エコキュートがよいのかガス給湯器がよいのかを見直し、必要であれば専門家に相談してみてください。